私が「宇佐神宮」に行ったわけ
スピリチュアルカウンセラーという仕事をしていると、ちょくちょく突拍子もない相談が飛び込んでくる。今回の発端もそんなご相談者から始まった。
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熊本市内に程近い場所に緑川という川が流れている。川の両脇は土手になっており、その川沿いに大型ショッピングモールもあるため、土手の道は車の往来がとても多い場所です。
ある日、そのショッピングモールの近くに住む女性の方からご相談の依頼があった。ご自宅への出張相談の依頼である。ご相談内容は霊的な相談であったが、恨みつらみが関係していない案件だったので、ほどなく解決に至った。
それから数ヵ月後、また同じ方からメールが届く。
ー 急にどうしてもお話したいことがあります。直近でお越しいただく時間はございますでしょうか? ー
すでに前回の案件は解決しているはず、現在の状態を霊視してもさほど大きな問題は感じない。しかし、メールの文面からは緊急を要するようなエネルギーが伝わってくる。
急ぐ必要を感じたので、数日後の予約可能のメールを入れる。
携帯の前で返事を待っていたのか、直ぐにお礼のメールが返信されてきた。
数日後午後2時の約束の時間に合わせて自宅を出発。
相談者の自宅までは1時間30分の道のり。ところがどういうわけか予定の時間の30分も前に着きそうな感じ。
基本女性の方のご自宅を訪問するときは時間に正確に訪問するように決めている。
女性の方は全ての方がそうとは限らないのだが、部屋が散らかっていたりするのを見られるのを嫌われる傾向がある。じゃあ前もって常に片付けておけば良いのだが、ギリギリの段階で秒読みのように、ばばーーーーっと片付けを始められる方も中にはいらっしゃる。
30分も早く訪問することはかえって精神的なマイナスのダメージを与えかねない。
そこで近くに車を停めてしばらく時間を稼ごうと見回してみると、今まで気がつかなかったのだが、道脇に神社への案内板が。「大神宮」と書かれている。
ではちょっとそちらにご挨拶。そう考えて案内板に従って脇道に入り込む。
地元の方の信仰が垣間見えるような、質素だけれども掃き清められた境内。
拝殿の前に進み、手を合わせてご挨拶をすると、こちらの神様が早速登場された。
穏やかな面立ちのおじいさんの姿をされており、服装はさほど華やかではないが、品のある物腰の神様。
こちらでちょっとしばらく時間を過ごさせてくださいと言うと、
「わしの頼み事を聞いてはくださらぬか。」
そうおっしゃいます。
「私にできることでしたら」
そう答えると
「宇佐神宮に行ってもらいたいのだが・・・」
「宇佐神宮?!大分の?」
「そうじゃ」
「いやー申し訳ない。さすがに大分までは遠いかも。」
そう答えると、かなり悲しそうな顔をされる。お年寄りにそんな顔をされるとなんか悪人になったような気分になる。
そこで
「今すぐでなくて良いのでしたら、機会があった時に宇佐神宮に参拝させていただきますね。」
おじいさんの顔がパーーと明るくなったのは良いが・・・・
そんなこんなで約束の時間が近づいてきた。
おじいさんにご挨拶をして神社を後にした。
心の中ではいつ行けるかわからないのに申し訳ないかなって思いながら・・・
ご相談者の自宅にはちょうど2時に到着。
部屋に招き入れられ、テーブルに着くと、直ぐに話が始まると思いきや、お茶の用意をしたり、世間話をしたり、なかなか本題に入らない。
見かねて、「申し訳ありません。ご相談は時間で料金が決まりますので、ご相談内容に直接はいられた方がよろしいかと思いますが。」と申し上げた。
すると・・・
「実は私自身不思議なのですが、先日メールをいたしましたときは何故かどうしても先生にお話しなければという思いでいっぱいになり急いでメールをしたんです。
ところが今日になって何をお話するつもりだったのか全くわからないのです」
そう言われる。ご本人も困っていらっしゃるご様子だったので
「そうなのですね。不思議ですね。ではそうであれば私はお暇いたしますね。」
そう言って席を立とうとすると
「いえいえ、わざわざこちらまでお越しいただいたのですから、前回ご相談させていただきましたその後のご報告だけでも」
そう言って、その後どのように好転していったかなどを話始められました。
話終わるとふと思い出したように
「そういえば最近びっくりすることがありました。
緑川の堤防沿いの道を夜間車で走っていた時、土手から大きな鹿が飛び出してきて車の前を横切って行ったんです。
すぐ近くに山があるわけでもないのに、近所で鹿を飼ってる人でもいるんでしょうかね」
そうおっしゃいます。
いやどう考えても鹿を飼ってる人なんてこのあたりにはいないでしょ。
それに霊視で見せていただいたその姿はどう見てもただの鹿じゃない。
まるで宮崎駿の「もののけ姫」に出てくる森の主のような感じ。
「かなり大きな鹿だったのではないですか?」そう聞くと
「いやーすごかったですよ!あんなおおきな鹿がいるんだって驚いたくらいですから」
でしょうね。
やっと今回呼ばれた訳がわかりました。
何故だか理由はわかりませんが、その鹿と一緒に宇佐神宮に行かなければならないみたいです。
そのことを理解した途端、今回の相談者の方、「あーなんか胸のつかえが取れたようにすっきりしました。先生とおしゃべりしたかったんでしょうね」そう言ってスッキリされた表情。
さあ、そうと分かれば長居は無用です。
私の横にちゃんと一緒にさっきから座っているこの鹿の精霊を連れて帰んなきゃ。
ご相談者の家を出て自宅へ向かって車を走らせながら
「さあどうしよう。人には見えないけど、こんなに横にびっちり付かれていたら気になってしょうがない。人の言葉は話せないらしく、時々催促のよう私の背中を蹴っている」
しょうがない、おじいさんにも頼まれたことだし、時間を見つけて早めに大分まで走るか。
喜ぶ鹿の気持ちが手に取るようにわかる。でも、なんかこの鹿に関してはよかったねと思えないとこがある。人にものを頼む時の態度がちょっと横着だからかなぁ。それに鹿って神様の乗り物だって言うけど、私の背中におぶさったまま。まっ、私は神様じゃないから背中に乗ることはできないにしても、せめて自分で歩けって言いたくなるよね。
いつもの如く神様ごとの時は仕事のスケジュールが上手い具合に空きができる。
片道5時間半の道のりをいざ出発。
車の中でも鹿様は私の背中におぶさったまま。
5時間半の道乗りではあるが、熊本から阿蘇を通って九重の山並みを抜けるコース。
それはそれで緑の草原や美しい山並みを眺めながらの気持ちの良いドライブコースが続く。
途中ゆっくり休憩しながらのんびり気ままに大分まで行くか。
って思いだったのに・・・・
休憩しようと車を停めると、背中の鹿がバンバン後ろ足で蹴ってくる。どうも急がせたいらしい。むこうは霊体なんでさほど痛くはないのだが、気持ちが急かされる勢いで蹴り続ける。めんどくさい。
そんなこともあって、午前中に出発してお昼すぎには大分に到着。
早速その足で、宇佐神宮に参拝。
宇佐神宮の本殿が近づくと背中に乗っかっていた鹿はちゃんと下りて横を歩きだす。
「なんだ、ちゃんと歩けるじゃん」
そんな私の言葉を無視するかのように、なんか今までとは打って変わって威厳ある姿勢で歩いてる。
拝殿の前に進み出て頭を垂れると、神様がまずは私の横の鹿に
「よくこの者を運んでくれた。礼を言うぞ」
いやいや、運んでないって、逆に私がこの鹿運んだんですが・・・って言いたかったんだけど・・・いやいやここで言うのは大人気ない、あとで鹿さんにはちょっと一言文句言ってやんなきゃって思ってる内に、横の鹿さんはすーっと神社の中へ。おいおい。
「で、私は何のためにこちらへ?」
答えが無い。
・・・・・・・・・・・・・・・・
なんでーーーー(T-T)
何のためにはるばる大分までやってきたんだろう。
すると、宇佐神宮を訪れたちょどその日は、宇佐神宮の放生会というお秋のお祭りの日でした。
そこで、その放生会のメイン会場である和間神社へ。
こちらが和間神社です。
放生会は生き物への感謝を表すために、魚や鳥などの生物を池や野に放つ法要だそう。
なんでも、8世紀の始め朝廷が力で制圧した九州大隅・日向の隼人の恨みを恐れて、その霊を鎮めるために744年に日本で初めて宇佐神宮で執り行われたと伝えられています。
宇佐神宮を参拝するときの作法が、他の神社とは違うニ拝四拍一拝という出雲大社と同じ作法だというのも意味深ですよね。
こちらは入江に建てられた浮殿です。
こちらは祭りで使用される神輿です。
なんでも、この神輿、実は宇佐が発祥の地だそうです。
今回訪れて分かったことです。
古代ユダヤの聖櫃(アーク)と日本の神輿はよく似ていると言われています。
そのみこしの発祥の地がここ宇佐っだたなんて。
それにしても、神様におすがりして、魚や鳥などの命を助けたらその恨みを少しでも消してくださいというのが、この放生会の始まりのようですが、でもよくよく考えたら、自分たちの勢力を拡大するために誰かを殺して、今度はその恨みが怖いから消してくださいとお願いするのも虫が良すぎますよね。
でも神様が力をかしてくださってるのは、きっと人間よりも魚や鳥の方が純粋に神様に近い存在だからかもしれませんね。
魚や鳥に対して、いつも自分たちが生きるために殺生をしてしまっていいるという事実に人間が気づき、そのおかげでいまこうして生きていられているんだということを自覚することをがたいせつですよね。
だから無駄な殺生はせず、日頃から常に感謝の気持ちを持って人間以外の生き物に向かい合う、そんな気持ちを持てれば神様は喜ばれるのでしょうね。
・・・・・・・・・・・・・・・
このことに気がつくために今回はここ宇佐神宮にに参らせていただいたのですね。
だから鹿様はあえて私の背中におぶさって・・・・・・
もしも愚かな私が鹿の背に乗ってでもいたら、神様からひどいお叱りを受けたことでしょう。
だよねーーーーーー。絶対自己嫌悪間違いなし。
良かった、ありがとおーーーー鹿様。
ほんとに人間って愚かだよね(いやいや今回は私が愚かだったんだけど)
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