喪中の時は神社・仏閣に参拝したらいけないの?

喪中の時の作法
「喪中の時は神社・仏閣に参拝はしてはいけない」って、一般的によく言われている事ですが、神社とお寺ではそもそも考え方が全く違っていて、お寺は喪中であっても参拝OKです。

また、実は「喪中」であっても、「忌中」の期間を過ぎていれば、神社も参拝は大丈夫です。

神社に参拝出来ないのは「忌中」の期間です。

 

では「喪中」と「忌中」の違いは?

「喪中」は故人を思い、また悲しみを乗り越える期間で、亡くなられてから約1年間とされています。

対して「忌中」は亡くなられた方との関係によって長さが違いますが、最も長い両親や配偶者で神社では50日間(仏教は49日間)とされています。

 

神道では「死」を「穢れ」として忌み嫌うものと考えています。そのため神社のお社では葬儀は執り行われませんよね。

しかし、仏教では人は死ぬと仏になるとされており、葬儀も執り行いますし、毎日通っても全くかまいません。

また、神社においても、参拝を控えるのは「忌中」の期間だけ。どうしても参拝したい行事がある場合は、参拝を希望される神社にご相談されると、事前に穢れを祓ったりしていただけることもありますよ。そうすると忌中でもOKという神社もあるみたいです。

実は現在の「忌中」などの期間は、明治7年の太政官布告「服忌令」という法律によるもので、実際はその法律はすでに存在しないのですが、習慣として残っているに過ぎないのですって。

 

平安時代に貴族が朝廷の所に参内する際に、途中犬や猫などの死骸に出くわすと「穢れたから」と言いって、参内を控えたりしていたみたいだから、昔は神社だけでなく人に会うことも控えていたみたいですよね。参内したくない口実に使ったのかもしれませんけどね。(笑)

 

もともと「ケガレ」は「気枯れ」という意味合いで使われていたみたいです。

現在は「不浄」という意味合いが強いですが、気持ちが落ちこんで、気のエネルギーが落ちている状態を「ケガレ」と言うのが本来の意味合いみたいですよ。

これは私個人の受けた感覚ですが、神社の神様が身内の方が亡くなられて悲しんでいらっしゃる人を、追い返しているような場面には出くわしたことがありません。

ただ、わざわざ無理して押し通すようなことでもありませんので、一般的な慣習として従った方が良いかと思います。

神社に参拝するだけが信仰ではありませんので、ご自宅の神棚の前で柏手を打ってお参りしてもちゃんと神様には届きますよ。

 

また鳥居をくぐらなければ良いという意見もありますが、鳥居は入口ですから、やはり神社を参拝するときは入口から入って長い参道を通られた方が良いと思いますよ。基本、参道を通る間に現世の汚れが落ちるようになっています。脇からこそこそ入る方が考えたら変ですよね。