神社・仏閣を参拝する時の作法

参拝の作法 神社もお寺も参拝するときの作法って大きく違ったりはしませんが、やはり神道と仏教という宗教の違いから、同じ行為であっても意味合いに多少の違いがあったりします。
また神社の中においても、柏手の数が違ったりしますし、お寺においては宗派によって作法が大きく違ったりします。

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神様は意外と細かいことは言われません。しかし基本的には、神社仏閣を参拝する際はそこで行われている作法には礼儀として従うべきだと考えています。
柏手や礼の仕方などはちゃんと明記されていますし、分からない事は聞くと、どこでも丁寧に教えていただけます。それに、尋ねる方が少ないからか、積極的に尋ねると他にも色んな事を教えてもらえますよ。得した気分になれます。

今回は、神社での一般的な作法を主として、お寺での作法を補足として書いています。よかったら参考にされてくださいね。

まず最初に鳥居から入ります。

神社の入り口が鳥居です。鳥居は現世と神様がいらっしゃる神域を隔てる境界線です。
よそ様の家にお邪魔するときは、何の挨拶もなしに勝手に入りませんよね。神社の鳥居をくぐるときもそうです。やはり、きちんと「お邪魔いたします」と一礼をして入るのが礼儀ですよね。
このときの礼は軽く頭を下げる程度でいいですよ。

鳥居や参道の真ん中を「正中(せいちゅう)」といいます。「正中」は神様が通られる道です。そのため鳥居の前に立つ時も、神様の通行の邪魔にならないように必ず右か左の方に寄ってくださいね。

鳥居をくぐる時は、「正中」から離れている方の足から一歩を踏み出します。
例えば、右側に寄って立っている場合は右足から、左側に寄っている場合は左足からという具合です。
これは、最初の一歩の時に、神様にお尻を向けたら失礼になるからです。

お寺の場合は山門ですよね。こちらではさほど決まった作法はありませんが、神社を参拝するときの作法と同じようにされてかまわないと思いますよ。

鳥居や山門をくぐり抜けた先は参道が続きます。

参道はそこを通って行くに従って、現世で付いた汚れ(穢れ)を洗い流していく道です。

私達は生きている限り、食べるために殺生をします。嘘もつきます。人も傷つけてしまいます。
「そんな穢れた私達ですがどうぞ会って下さい」という謙虚な気持ちで参道を歩いてください。
参道を歩くときも正中を歩くことがないように、左右どちらかに寄って歩くのが礼儀です。
また、正中は横切らないようにしてくださいね。どうしても反対側に行く必要がある場合には、軽く頭を下げてから横切ってください。

謙虚な気持ちで心穏やかに参道を歩いていると、参道の周りの木々が私達の身体や心の汚れを洗い流してくれているのに気がつくはずです。
神様は神社の中ではなく、参道の途中や山の中で出会うことも多いです。
そのため、基本的にはどんなに長い参道でも、たとえ高く続く石段でも、ゆっくりでいいですので、登りきることに意味があります。参道を歩くことで私達は浄化のエネルギーを頂いています。

参道の途中に手水舎(ちょうずや)があります。

手水舎は、神聖な水によって身体や心を清めるためにあります。

手水舎での作法は次の通りです。



1.柄杓を右手で持って、左手を清める。
2.柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める。
3.再び柄杓を右手に持ち替えて、左手に水を溜めてその水で口をすすぎます。
4.最後に柄杓を立てて、残りの水で柄杓の持ち手を清めます。



ほとんどの神社には手水舎がありますが、お寺にはあったり無かったりします。しかし、備え付けてある場合には作法は同じですのでちゃんと身を清めた後参拝してくださいね。

また、お寺の場合には蝋燭や線香が用意されている場合があります。その場合は献灯・献香を行ってください。
仏教では「仏は香を食する」という考え方があります。神仏に香りを献上するのです。また、その他にも、線香の煙は邪気を祓う作用がありますので、私達の穢れを祓っていただきます。

献灯・献香の際に気を付けなければならない事は、他の人が灯した蝋燭の火をいただかない事です。火はその人の邪気や業を燃やしています。その火をいただくことは、邪気や業もいただくことになります。必ず新たに火を付けてくださいね。

拝殿では二拝二拍手一拝

拝殿の前に立ったら帽子やサングラスは外して、まず、軽く頭を下げてご挨拶です。また拝殿でも、中央に立たずに少し横にずれて立つのが礼儀です。

最初にさい銭箱の近くまで進み、賽銭を入れてください。
次に鈴がある場合は鈴を左右に振って二回鳴らします。鈴の音は古来より場を清める作用があります。また神様をお呼びする役割もあります。

 

あらためて真っすぐに立ち、心を落ち着けて、深く二回頭を下げます(二拝)。

両手を胸の高さにして、肩幅くらいに離して二回柏手を打ちます(二拍手)。
柏手を打つ時は、右手を指の関節一つ分くらい下げて、左手は少し丸くして叩くと良い音が響きますよ。

二回打ち終わったら、掌を合せてお祈りをしてください。

最後に深く頭を下げます(一拝)。

 

神社によっては柏手の回数が異なる所もありますので気を付けて下さいね。たとえば出雲大社は「二拝四拍手一拝」です。必ず拝殿に書いてありますのでそちらに従って行ってください。

お寺の場合には柏手を打たないようにしてくださいね。注意が必要です。たまに柏手を打っている人を見かけます。
お寺では、胸の前で手を合せて静かに祈願してくださいね。

最後に、軽く頭を下げて神前を離れます。

 


一般的な作法を書きましたが、厳格に守らないといけないということではありません。他の国と違って、日本の神社・仏閣はあまり厳しくはありません。また神様も優しく許して下さる方が多いです。

しかし、いくら優しい神様がお住まいだとしても、神社・仏閣自体は誰かが造った建物です。自分ものではありません。その人様のものにお邪魔するわけですから、ここではこういう参拝の仕方でお願いしますと言われたら従うのが礼儀だと思います。
これは神社仏閣に限らず公共の場でも同じことですよね。他の人の迷惑になる自分勝手な行動は間違いなく慎むべきだと思います。

ご利益のある水が湧き出ていると聞きつけ、他の人が後ろに並んでいるのに大量に汲み続けている人などを見ると、うーーん、ちょっと間違ってるなって思いますよね。

まず一番の作法は、人間として、他の人の迷惑にならないようにすることではないかしら。